GMTで作る深度別水温の経年変化図

GMTは地図の描画がメインの様な印象がありますが、水深方向水温分布の時系列図も作成可能です。ここで紹介するスクリプトを利用すると、水環境の時間的な変遷も容易に可視化できます。図は、とあるダム貯水池の水深方向の水温変化を経年的に追ったものです。この図を作成するためには日時、水深、水温並びのデータを準備する必要があり、スクリプト上でも時間軸データを用いるための特殊な表現が使われています。ここではスクリプトの詳細はあえて説明しませんが、ここでは特に下記コンター図の上下をマスクするデータセットを設定しています。GMTのマニュアルではpsmaskというコマンドが同様の機能を果たすことになっているのですが、うまく機能しなかったため、緊急避難的にこのようなスクリプトで対処しています。もしかするともう少しエレガントな方法があるのかもしれません。今後の検討課題です。なお、ここでは水温の時間分布を扱いましたが、溶存酸素量やSSなど、他の水質項目でも同様に描くことが可能です。

サンプルスクリプト及びデータsample_temp.lzh

上記ファイルを解凍すると、ルートフォルダの下にgmtscript,topodataという名称のフォルダが作成されます。gmtscriptフォルダにはスクリプト本体とカラーパレットファイル、topodataフォルダには水温データとマスクデータが格納されています。バッチファイルをダブルクリックすることで、水深方向水温の時系列的変遷を描画できることがわかります。

2011/3/23 寒地河川チーム 村上

TempProfile_small.jpg


Time series of vertical profiles of temperature over the entire sampling season in the Izarigawa dam researvoir, Hokkaido,Japan. Script of generic mapping tool and data can download here. sample_temp.lzh