GMTで作る震源マップ(2011年3月7-14日)

米国地質調査所のWEBサイトでは、1973年以降に発生したマグニチュード1以上の地震データが公開されています。このデータには、震源位置の緯度経度、マグニチュード、震源の深さなどが含まれていますので、GMTを使って震央分布図を描くことができます。ここでは、単に震源位置を示すだけでなく、マグニチュードの大きさによって震源位置のマークの大きさや、震源深さによって色を変え、マグニチュード大きさを示す凡例も図中に入れています。
 凡例を入力するためにはpslegendというコマンドを使います。pslegendはGMTの最近のバージョンに加えられた機能で、pslegendで吐き出すデータはGMTのバッチファイルとなっており、スクリプト中でそのバッチファイルをcall文で読み込んで実行させて凡例を図中に追加して出力します。pslegendを実行するにはlegend.txtという凡例用のデータが必要になります。図の下に記載したlegend.txtを例に説明しますと、N 1の1は凡例の列数を示します。Sはシンボルを記述するという宣言で、0.5cは左側の凡例枠から0.5cm離れた位置がシンボルの中心を示します。cは円をプロットする命令で、シンボルの大きさは0.10cm、赤(255/0/0)で塗りつぶすという意味になっています。凡例枠左から0.9cmの位置に、文字列をプロットしています。図左上の凡例ではマグニチュードに応じて円のサイズが変化しています。
seis0307-0314s.jpg
※ここでは2011年3月7~14日の7日間のM2.5以上のデータを用いて震央分布図を作成しています。下記圧縮ファイルを展開し、seismic2011031.batをダブルクリックすると震央分布図を描画できます。なお、ここでは地形データを省いていますが、GEBCOの30秒解像度の地形データを用いることで、左の様な図を作ることも可能です。なお、これだと短期間のものしか図化できません。例えば1枚に12年年分の震央分布を図化する方法は以下URLで紹介しています。

スクリプト及びデータ一式:USGS.lzh








SGSの震央データ
http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/catalogs/index.php#csv

legend.txtの内容
N 1                   ※凡例が1列であることを示す
S 0.5c c 0.10c 255/0/0 0.5p 0.9c mag2.5 ※S:記号を記述する宣言
S 0.5c c 0.15c 255/0/0 0.5p 0.9c mag3.0 ※0.5c:枠線から0.5cmに記号中心
S 0.5c c 0.20c 255/0/0 0.5p 0.9c mag4.0 ※c:円記号
S 0.5c c 0.25c 255/0/0 0.5p 0.9c mag5.0 ※0.1c:記号のサイズ(cm)
S 0.5c c 0.30c 255/0/0 0.5p 0.9c mag6.0 ※255/0/0 : RGBの数値(ここでは赤)
S 0.5c c 0.35c 255/0/0 0.5p 0.9c mag7.0 ※0.5p:記号を囲む線の太さ
S 0.5c c 0.40c 255/0/0 0.5p 0.9c mag8.0 ※0.9c:文字列を描く位置(cm)
S 0.5c c 0.45c 255/0/0 0.5p 0.9c mag9.0 ※mag9.0:記号脇に添える文字列※GEBCOのWEBサイトで公開されている大洋水深図データの入手方法については以下リンク先で紹介しています。
http://river.ceri.go.jp/contents/tool/gmt/gmt-anaglyph.html

2011/4/4 寒地河川チーム 村上
2011/10/3  文章修正 村上